
捨てられる魚をスープに
かつて、海洋高校の実習船「みずなぎ」を用いた底曳網漁業において高校生たちが漁獲した小さな魚たち=未利用資源は、商品価値がつかず、捨てられていました。
その実情をもったいないと感じた生徒の一人が先生に言います。「先生!なんとかなりませんか!」その発案は学校全体の取組となり、同校卒業生で元宝ヶ池プリンスホテル総料理長 神田正幸氏の協力の下、生徒たちが商品開発に取り組んできました。そして、この未利用資源を「ラーメンのスープにする」というアイデアに辿りついたのです。

いいね!逆転劇と全国準優勝
ラーメンを開発した生徒たちは、農林水産省主催の第4回「ご当地!絶品うまいもん甲子園」出場を目指し、意気揚々とラーメン開発に励みました。しかし、結果は近畿エリア大会で敗退…ところが、同大会のFacebookで「いいね!」を最も集めた学校が敗者復活できる枠があることを発見します。
「いいね!」集めに尽力するも、トップをひた走る他校に全く及ばずでした。…生徒は言います。「先生!なんとかなりませんか!」心動かされた教師・生徒たちは一生懸命地域に呼びかけました。すると、圧倒的大差で負けていた海洋高校が最終日の午前11時ごろに驚異的な逆転劇を見せ、ついには全国大会への切符を手に入れたのです。

「地域に恩返しがしたい!」
結果、全国から138校335チームがエントリーするなか、全国準優勝(水産庁長官賞)を獲得!生徒は心の底から喜びました。そして、同時にこう言います。「この準優勝は応援していただいた地域の皆様のお陰です。恩返しがしたい!」「先生!なんとかなりませんか!」
時は流れ、平成28年。ブイヤベースラーメンを通じ、地域を活性化するという取組がスタート。生徒の想いに賛同した5つの事業者が集まり、今日に至ります。
すべての事業者のラーメンは、神田シェフの監修をクリアしたもの。学校と事業者が協力し、創り上げた味と、生徒たちの想いを、ぜひ、味わってください!